前回に引き続き Microsoft SQL Server の Always On 高可用性の構成について解説します.
Always On 高可用性を構成するにあたり既存のデータベースのバックアップと SMB 共有が必要です.
今回はデータベースのバックアップと SMB 共有について解説します.
- Microsoft SQL Server に関するお話
- Microsoft SQL Server – Always On 高可用性 (SQL Server の導入)
- Microsoft SQL Server – Always On 高可用性 (ファイアーウォールポリシー設定)
- Microsoft SQL Server – Always On 高可用性 (Horizon ログ用データベースの作成)
- Microsoft SQL Server – Always On 高可用性 (Always On 高可用性の構成 ①)
- Microsoft SQL Server – Always On 高可用性 (Always On 高可用性の構成 ②)
- Microsoft SQL Server – Always On 高可用性 (Always On 高可用性の構成 ③)
Microsoft SQL Server – Always On 高可用性 (Always On 高可用性の構成 ②)
Always On 高可用性を構成するためには,最初に高可用性の対象とするデータベースのバックアップと そのバックアップデータを共有する必要があります.これが初回同期のベースイメージとなるようです.
今回は,バックアップ領域の作成,データベースバックアップの実施,バックアップデータの共有の流れで Step by Step で解説します.
データベースのバックアップ領域の作成
データベースバックアップ領域の作成を行います.SQL Server インストールの際規定でバックアップ用のフォルダーは作成されていますが,Always On 高可用性の場合は SMB 共有でのやり取りを行いますので別途用意したほうが扱いやすいです.
共有フォルダーを作成するため,作成する場所で右クリック「新規作成」-「フォルダー」をクリックします.
フォルダーの名前を変更します.今回は「SQL_BK」としました.
データベースのバックアップ
スタートメニュー/プログラムの一覧より「SQL Server Management Studio」をクリックします.
「SQL Server Management Studio」より,SQL Server に接続します.バックアップを行いますのでそれが可能なアカウントでログインしてください.
バックアップしたいデータベースを選択,右クリックでメニューを表示して「タスク」-「バックアップ」をクリックします.
「データベースのバックアップ」が開きます.
「全般」の「バックアップ先」で規定で設定されているパスを選択の上「削除」をクリックします.
先ほど作成したフォルダーを指定するため「追加」をクリックします.
「バックアップ先の選択」にて「ファイル名」を選択して「…」の参照ボタンをクリックします.
先ほど作成したフォルダーを選択の上ファイル名を入力して「OK」をクリックします.
ファイル名はなんでもよいです.今回は単純に日付にしましたが,日付_データベース名など分かりやすい名前が望ましいです.
ファイルの拡張子は「.bak」としましょう.
「バックアップ先の選択」に戻りますので「OK」をクリックします.
「データベースのバックアップ」ウィンドウに戻りますので「OK」をクリックします.
「OK」をクリックするとバックアップが開始されます.
バックアップが完了するとこのように完了した旨のウィンドウが表示されますので「OK」をクリックします.
バックアップ領域の SMB 共有とアクセス権設定
先ほど作成したフォルダー(データベースをバックアップしたフォルダー)を選択して右クリックでメニューを表示して「プロパティ」をクリックします.
プロパティ画面が開きますので「共有」タブをクリックして「詳細な共有」をクリックします.
「このフォルダーを共有する」にチェックを入れ,共有名を設定します.今回,共有名はフォルダー名と同じにしています.
また,アクセス許可を設定するため「アクセス許可」をクリックします.
まず,「Everyone」共有を選択して削除します.
このアカウントが有効だとフォルダー(SMB共有)に対しての読取り権限がついた状態になってしまいますので,明示的に権限を持つアカウントのみにするため削除することをお勧めします.
まずは管理者アカウント (管理者グループ) をアクセス許可として設定します.
アクセスを許可するアカウントを追加するため「追加」をクリックします.
アカウントの検索画面が表示されますので「Domain Admins」と入力して「名前の検索」をクリックします.
名前の検索が成功すると入力したユーザー名に下線が引かれます.
下線が引かれたことを確認して「OK」をクリックします.
続いて SQL Server サービスを動作させているアカウントを許可として追加します.
アクセスを許可するアカウントを追加するため「追加」をクリックします.
アカウントの検索画面が表示されますので「MSSQL」と入力して「名前の検索」をクリックします.
「MSSQL」のアカウント名は「Microsoft SQL Server – Always On 高可用性 (Always On 高可用性の構成 ①)」で作成したアカウントです.
名前の検索が成功すると入力したユーザー名に下線が引かれます.
下線が引かれたことを確認して「OK」をクリックします.
追加したアカウントはそれぞれ「フルコントロール」の権限を付与しますので「フルコントロール」の「許可」にチェックを入れて「適用」をクリックします.
適用が完了したら「OK」をクリックしてアクセス許可の設定を完了します.
「詳細な共有」に戻りますので「OK」をクリックして設定を反映します.
プロパティ画面は「閉じる」で終了します.
これまでの記事で,Always On 高可用性のウィザードを実行する準備が整いました.
次回は,Always On 高可用性のウィザードを通じて実際に構成する方法について解説します.
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