実際に「DFS 名前空間」の作成と「DFS レプリケーション」の設定を行います.
今回は今まで説明をしている通り,移動ユーザープロファイルを格納する用途を想定しています.
- ファイルサーバーに関するお話
- Windows ファイルサーバー – ファイルサーバーサービスを構成する 「SMBの解説」
- Windows ファイルサーバー – ファイルサーバーサービスを構成する「ファイルサーバーリソースマネージャーの導入」
- Windows ファイルサーバー – DFS (Distributed File System/分散ファイルシステム) と DFSR (DFS Replication/DFS レプリケーション)
- Windows ファイルサーバー – ファイルサーバーサービスを構成する「共有の作成とアクセス権の設定」
- Windows ファイルサーバー – ファイルサーバーサービスを構成する「クォータの設定」
- Windows ファイルサーバー – DFS 名前空間とDFS レプリケーションの構成
- Windows ファイルサーバー – DFS 名前空間とDFS レプリケーションの確認
- Active Directory ドメインサービスに関するお話
DFSの構成
「サーバーマネージャー」の「ツール」をクリックして「DFS の管理」をクリックします.
「DFS の管理」が開いたら「名前空間」を右クリックし「新しい名前空間」をクリックします.
ウィザードが起動します.名前空間サーバーを選択するため「参照」をクリックします.
名前空間とするサーバーを入力し「名前の確認」をクリックし,名前が確認され,下線がひかれたことを確認したら「OK」をクリックします.
前の画面に戻るので「次へ」をクリックします.
名前空間として見せるパス名(フォルダー名)を入力します.名前空間の配下に実際の共有を紐づけていく形となりまして,「\\<ドメイン名>\<名前空間名>\<共有名>」という形のファイルサーバーパスになります.
名前空間名を入力して「次へ」をクリックします.
名前空間の種類をドメインベースかスタンドアロンかを選択します.説明は「Windows ファイルサーバー – DFS (Distributed File System/分散ファイルシステム) と DFSR (DFS Replication/DFS レプリケーション)」を見て頂きたいのですが,ドメインベースは Active Directory ドメインサービスの中に情報が格納されます.
ドメインベースの場合ですが「Windows Server 20008 モードを有効にする」は基本的にはチェックを入れたままで良いです.このモードは「アクセス ベースの列挙(Access-based Enumeration/ABE)」の有効可否が変わります.ABE についてはいずれ解説します.
スタンドアロンの場合は,Windows Server 2008 以上であれば有効となります.
今回はドメインベースで進めるため,ドメインベースの名前空間を選択して「次へ」をクリックします.
設定内容が表示されますので確認の上「作成」をクリックします.
名前空間が作成されたことを確認して「閉じる」をクリックします.
以上で名前空間の作成は完了となります.
名前空間サーバーの追加
ドメインベースの名前空間の場合,名前空間サーバーの追加が可能です.
作成した名前空間を右クリックし「名前空間サーバーを追加」をクリックします.
ウィザードが起動します.名前空間サーバーを追加するため「参照」をクリックします.
名前空間とするサーバーを入力し「名前の確認」をクリックし,名前が確認され,下線がひかれたことを確認したら「OK」をクリックします.
前の画面に戻るので「OK」をクリックします.
名前空間サーバーの追加が行われます.完了したら「閉じる」をクリックします.
「名前空間サーバー」タブをクリックし,サーバーが追加されていることを確認します.
以上で名前空間サーバーの追加は完了となります.さらに追加したい場合はこの処理を必要数分実施ください.
フォルダーターゲットの追加
名前空間の下に表示する共有フォルダーのターゲットを追加します.
名前空間を右クリックして「新しいフォルダー」をクリックします.
「新しいフォルダー」ウィンドウが開くので共有フォルダーの名前を入力します.ここでは「RoamingProfiles」としています.
また,参照先のフォルダーターゲットを登録するため「追加」をクリックします.
「フォルダーターゲットを追加」にて,ファイルサーバーの共有パスを入力して「OK」をクリックします.
前の画面に戻ります.続いて2台目のファイルサーバーパスを登録するために「追加」をクリックします.
「フォルダーターゲットの追加」にて2台目のファイルサーバーの共有パスを入力して「OK」をクリックします.
フォルダーターゲットが正しいことを確認して「OK」をクリックします.
2台以上のフォルダーターゲットを入力した場合,DFS レプリケーションの構成を行うか確認が促されます.このまま構成する場合は「はい」をクリックします.
もしも,Windows ファイルサーバーではなく,NAS などのストレージ製品でのレプリケーションを行う場合は「いいえ」で終了させてください.
レプリケーションウィザードが表示されます.最初から値が入力されており,特に修正の必要はないと思いますのでそのまま「次へ」をクリックします.
レプリケーションを行うフォルダーターゲットが表示されますので「次へ」をクリックします.
同期の起点となるファイルサーバーを「プライマリー」として指定します.今回は両方とも何も存在していないのでどちらでも大丈夫なのですが,片方に存在しており,レプリケーションを開始する場合は存在するサーバーをプライマリーとして選択してください.
プライマリーメンバーの選択を行ったら「次へ」をクリックします.
レプリケーションの構成の選択画面になります.
「ハブおよびスポーク」は「ハブ」となるサーバーのデータを片方向にレプリケーションを行います.
「フルメッシュ」はお互いにレプリケーションしあい,常に同じ状態を保ちます.
今回は2台であることとどちらに対しても読み書きを行いたいことから「フルメッシュ」を選択します.
選択したら「次へ」をクリックします.
レプリケーションに利用する帯域幅もしくはレプリケーション間隔を決定します.
帯域幅はレプリケーショントラフィックの上限を決定できます.同一サブネット上の場合は最大で良いと思いますが,拠点をまたぐネットワークの場合はある程度制限を考える必要があるかもしれません.
また,特に拠点間の場合になると思いますが,レプリケーションを常時行うのではなく,スケジュールで実行することも可能です.今回は扱いません.
帯域幅の選択を行ったら「次へ」をクリックします.
設定内容の確認画面になりますので内容を確認し「作成」をクリックします.
レプリケーションの構成が行われますのですべて成功したことを確認して「閉じる」をクリックします.
即同期が行われるわけではなく,構成の取得が完了次第同期が開始されますのでその旨の警告画面が表示されます.「OK」をクリックして完了します.
以上で,DFS のターゲットフォルダーの構成及び DFS レプリケーションの構成が完了しました.
長くなりましたので動作確認は次回紹介します.
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