Microsoft SQL Server の導入にあたり,せっかくですので Always On 高可用性の方式の導入を解説していきます.
まずは前提となる SQL Server の導入を行います.
- Microsoft SQL Server に関するお話
- Microsoft SQL Server – Always On 高可用性 (SQL Server の導入)
- Microsoft SQL Server – Always On 高可用性 (ファイアーウォールポリシー設定)
- Microsoft SQL Server – Always On 高可用性 (Horizon ログ用データベースの作成)
- Microsoft SQL Server – Always On 高可用性 (Always On 高可用性の構成 ①)
- Microsoft SQL Server – Always On 高可用性 (Always On 高可用性の構成 ②)
- Microsoft SQL Server – Always On 高可用性 (Always On 高可用性の構成 ③)
Microsoft SQL Server – Always On 高可用性 (SQL Server の導入)
Always On による冗長化は,Microsoft SQL Server 2008 ~ 2012 までは Enterprise 以上,2014 からは Standard で構成が可能です.
前提となる SQL Server は特に複雑な導入は不要でただ普通にインストールを行えば大丈夫です.
Microsoft SQL Server の導入
SQL Server の CD-ROM を挿入または ISO イメージのマウントを行い,エクスプローラーよりダブルクリックで開くと「SQL Server インストールセンター」が実行されます.
「SQL Server インストールセンター」より「インストール」をクリックします.
「SQL Server の新規スタンドアロンインストールを実行するか、既存のインストールに機能を追加します」をクリックするとインストーラーが開始されます.
一番最初に必要に応じてセットアップサポートファイルのインストールが行われます.「詳細の表示」をクリックすると次のように一覧が表示されます.
全て成功していることを確認して「OK」をクリックします.
「プロダクト キー」でプロダクトキーを入力して「次へ」をクリックします.
「ライセンス条項」では条項を確認の上「ライセンスに同意します」にチェックを行います.
また,必要に応じて「機能の使用状況データを Microsoft に送信します」にチェックを入れて「次へ」をクリックします.
「製品の更新プログラム」ではインストールに合わせて更新プログラムを導入することができます.
通常は「SQL Server 製品の更新プログラムを含める」にチェックを入れたままで良いと思います.
「次へ」をクリックします.
「セットアップ サポート ルール」ではインストール,セットアップに必要な前提条件の確認が行われます.基本は全て合格している必要があります.
今回は「Windows ファイアウォール」のみ警告が出ていますが,導入後にファイアウォールポリシーを作成することで対応が可能ですのでこのまま「次へ」をクリックします.
「セットアップロール」では「SQL Server 機能のインストール」を選択して「次へ」をクリックします.
「機能の提供」ではまずは必要最低限の機能を導入します.今回選択する機能は以下のとおりです.
- データベース エンジン サービス
- 管理ツール – 基本
- 管理ツール – 完全
最低限は上記3つとなります.必要な機能を選択して「次へ」をクリックします.
「インストール ルール」ではインストールが成功するか確認が行われます.全て合格した事を確認して「次へ」をクリックします.
「インスタンスの構成」ではデータベースインスタンスを決定します.
デフォルトでは「既定のインスタンス」です.今回は「既定のインスタンス」を選択しています.
また,インスタンス ルート ディレクトリは,データベースインスタンスを保存する場所を指定できます.
今回の構成ではデータベース用に別ディスクを搭載しているため,プログラムは「C ドライブ」,データベースは「E ドライブ」とするように構成しています.
設定が完了したら「次へ」をクリックします.
「必要なディスク領域」ではプログラムおよびデータベースインスタンスとして必要な容量が表示されます.確認の上「次へ」をクリックします.
「サーバーの構成」ではサービスアカウント,照合順序を設定します.
今後構成する Always On 高可用性の場合,ドメインアカウントで実行する必要がありますが,後ほど変更が可能ですのでここはデフォルトのままとします.
照合順序は既定の照合順序の指定になります.データベース毎に変更も可能ですのでデフォルトのままで大丈夫ですので,そのまま「次へ」をクリックします.
「データベースエンジンの構成」にて管理者アカウントの設定などを行います.
「サーバーの構成」では認証モードを指定できます.
- Windows 認証モード
Active Directory による認証のみをサポートするモードです.Microsoft はこちらを推奨しています - 混合モード
Active Directory による認証および SQL Server 自身でアカウント管理を行った認証の両方をサポートしています.
VMware 製品で利用する場合,Active Directory と連携出来ない機器からの認証に不都合がある為,混合モードで導入を行います.
SQL Server システム管理者 (sa) のパスワードを設定,また,SQL Server 管理者の指定でドメイン管理者 (lab\Administrator) を追加しています.
「データディレクトリ」は各々のデータの保存場所を指定します.
「インスタンスの構成」のインスタンスルートディレクトリで「E ドライブ」を指定していますので,全てのディレクトリが「E ドライブ」起点になっています.
通常は変更の必要はありませんが,例えばバックアップデータはさらに別のドライブに持たせたいなどの場合はここで修正してください.
「FILESTREAM」はデータベーステーブルに BLOB (バイナリーオブジェクト) を保存するのではなく,ファイルシステム上にファイルとして保存できるようにする機能です.
今回は利用予定はないのでそのままとしています.
3つの項目の設定が完了したら「次へ」をクリックします.
「エラー レポート」はエラーが発生した際のエラー情報を Microsoft またはレポートサーバーに送信する機能です.
レポートサーバーを構成していませんのでデフォルトの無効のまま「次へ」をクリックしています.
「インストール構成ルール」は今まで設定した内容を踏まえてインストールが成功可能かチェックが実施されます.
全て合格した事を確認して「次へ」をクリックします.
「インストールの準備完了」では,今まで設定項目で設定・指定した内容が記載されます.
内容を確認し,問題が無ければ「インストール」をクリックします.
インストールが実行され,完了すると次の画面が表示されます.
全て「成功」であることを確認し「閉じる」をクリックします.
「SQL Server インストールセンター」も閉じるボタンをクリックして終了しましょう.
以上で SQL Server のインストールが完了です.Always On 高可用性による冗長構成の場合,もう1台の SQL Server で同じようにインストールを行う必要があります.
次回は Always On 高可用性を構成する手順を解説します.
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